2020年4月9日

あまり本読めなかった

1. 高山博『中世シチリア王国講談社現代新書、2016年

2. 貴志祐介『黒い家』角川ホラー文庫、1997年

3. 森博嗣『全てがFになる』講談社文庫、1998年

4. フェルナンド・ペソアアナーキストの銀行家』彩流社、2019年

5. 安宅和人『イシューからはじめよ』英治出版、2010年

6. 山﨑康司『考える技術・書く技術』ダイヤモンド社、2011年

7. 島岡要『やるべきことが見えてくる研究者の仕事術』羊土社、2009年

8. 竹内純子『エネルギー産業の2050年:Utility3.0へのゲームチェンジ』日本経済新聞出版社、2017年

9. ジェイムズ・ジョイスユリシーズI-IV』集英社文庫ヘリテージシリーズ、2003年

ギリシャ・ラテン・アラブ・ノルマンの混交という中世シチリアの状況については基本的なことは認識していたつもりだが、1.によれば、先行研究はギリシャ語・ラテン語アラビア語の官名の対応関係をきちんと見極められていないため、特に行政制度を過度に複雑なものとして評価している、と。イタリア人学者ならラテン語ギリシャ語は基本教養なので、アラビストが足りていないのかしらん。トリリンガル研究のきつさ。トリリンガルは大体スコラ研究に行くのか。

2.3.ともに面白かった。2. には既視感ありありだが20年以上前にこれをやっているのがすごい。同じく3. で描かれているVRの世界がこの数年でようやく一般人の世界に浸透してきた。予言の精度が高いが、大学の描写やテクノロジー観などに隔世の感。

4. 短編集。第一話と表題作はオチが読めてしまった。「手紙」が良かった。経過観察。

5-8. 余白の多いビジネス本には2時間以上の時間を割いてはいけない。どういう層がこの本を読んでいるかは知らないが、日本語表現のぶっ壊れも観測。必要なエッセンスだけサクサク読めばいいんでしょ。8. は前提が整理されていて入門として良かったが、やっぱり時々日本語の使い方が雑。

9. がこの3ヶ月で読書があまり進まなかった最大の原因。ただ最終章における女性性による切り返し方でそれまで読んできた苦労に報いる構成がお見事。