2020年5月13日

ジョルジョ・アガンベン『いと高き貧しさ』みすず書房、2014年。

②服部文昭『古代スラヴ語の世界史』白水社、2020年。

③クラウディア・ブリンカー・フォン・デア・ハイデ『写本の文化誌:ヨーロッパ中世の文学とメディア』白水社、2017年。

G・ガルシア=マルケス百年の孤独』新潮社、2006年。

 

①難しかった…頭が悪いから思想を消化するのに時間がかかった。訳者の上村忠男がアガンベンの入門書を読んでいるので、そちらを履修してから再挑戦か。vita vel regulaすなわち生と規則の究極の接近が前半で論じられる。そこから、後半では清貧論争が内包していた歴史的新しさについて論じている後半が難解。

②は少し用語の使われ方の怪しさや、ちょっと信じがたい地図の見辛さなどが残念。個人的には後半のスラヴ語研究史ナショナリズムの結び付きについての言及が面白かった。

③本当はもっと早く読んでいなければならなかった本。特に、歴史的に「本」というメディアにおいて誰が主体として振舞っているかという問題に対して、豊富な具体例が示されていてよかった。

④翻訳がすごい。奔流と形容されるにふさわしい時間の圧倒的な流れを体験させる語り。リアリズムの中に巧妙に織り交ぜられる魔術。ただ、とにかく頻出する同じ名前たちが困った。それも計算のうち?