2020-01-01から1年間の記事一覧

2020年6月23日

ウンベルト・エーコ(著)橋本勝雄(訳)『プラハの墓地』東京創元社、2016年。 登場人物と書き手を巡る枠構造、歴史の細部にわたる描写と頻繁な脱線など、エーコの十八番の技法が随所に散りばめられているが、流石にちょっとペダンティックの口当たりが強す…

2020年5月13日

吉本ばなな『哀しい予感』幻冬舎文庫、2016年。 『百年の孤独』の次にこの作品を選んだ巡り合わせ。普通になりきれずに解体・再生される家族。「私」は忘れることによって、「おば」は裏庭に捨てることによって壊れてしまった過去を不可視化するという相似形…

2020年5月13日

①ジョルジョ・アガンベン『いと高き貧しさ』みすず書房、2014年。 ②服部文昭『古代スラヴ語の世界史』白水社、2020年。 ③クラウディア・ブリンカー・フォン・デア・ハイデ『写本の文化誌:ヨーロッパ中世の文学とメディア』白水社、2017年。 ④G・ガルシア=…

2020年4月9日

あまり本読めなかった 1. 高山博『中世シチリア王国』講談社現代新書、2016年 2. 貴志祐介『黒い家』角川ホラー文庫、1997年 3. 森博嗣『全てがFになる』講談社文庫、1998年 4. フェルナンド・ペソア『アナーキストの銀行家』彩流社、2019年 5. 安宅和人『イ…

2020年1月5日

原聖『ケルトの水脈』講談社学術文庫、2016年 「興亡の世界史」シリーズ。オスマン史のものと併せて去年購入したが長いこと積んでいたもの。先日の研究会で「ケルトなるものは存在しないのだから、学位論文では使うな」と言われたという話を受けて思い出し、…